2017年02月16日

働き方改革を成功させる人事評価制度。一億総活躍担当大臣への政策提言の中身とは(あしたのチーム 高橋恭介さん)

IMG_9604
現在会期中の通常国会でも議論の焦点となっている働き方改革は、安倍政権の重要政策の一つに掲げられている。その背景にあるには労働生産性の向上。少子高齢化や経済のグローバル化など社会構造が大きく変化している中、持続的な成長戦略を実現させるための課題として位置づけられている。

一方、東京都中央区に本社のある株式会社あしたのチームは、「離職率が下がり、優秀な人材が集まり、業績が劇的に上がる」として、全国の中小ベンチャー企業に人事評価制度の導入を推進している。

同社の代表、高橋恭介氏はこの人事評価制度には政府の働き方改革を後押しできるとして、加藤勝信 一億総活躍担当大臣にある政策提言を行った。

人事評価制度によってなぜ企業業績が上がるのか、また働き方改革についての政策提言の中身とはどんなものか。高橋氏に話を伺った。

【ビズテリア編集部】

本質はフェアに差をつけること

働き方改革で最も重要な点は企業の人事評価制度にあると考えています。それは人事評価制度が企業経営の根幹を担っているからです。

人事評価制度は単なる評価や査定のツールでありません。業務改革や社員のモチベーションアップ、人材育成などに深く関係し、さらには企業の業績向上にまでインパクトを与えるものです。最近では、モンスター社員対策としての企業防衛としても注目されています。人事評価制度は企業の労働生産性に密接な関わりを持つため、働き方改革においても重要な鍵になると考えています。

では、経営の根幹を担う人事評価制度とは一体どのようなものでしょうか。それは一言で言うと「フェアに差をつける」ということです。社員の頑張りや努力、結果に対して適正な評価を与え、それに基づいて待遇を決めます。給料の上がる社員もいれば、下がる社員もいる状態を客観的な基準のもとにフェアに行います。

これまで日本の多くの企業では、このような評価制度をとってきませんでした。むしろ、頑張っても頑張らなくても給料は同じになる様な横並びの制度が多かったと思います。このことがバブル崩壊以降、日本経済が長らく低迷している原因の一つであった言えるでしょう。これからは、この「フェアに差をつける」人事評価制度によって企業をもっともっと元気にしていくことができると思います。

IMG_9667

経営側と社員との思いをつなげる

人事評価制度における重要なポイントは、経営側と社員との思いをつなげることです。経営者や上司が社員に対して業務としてやってもらいたいことや期待していることと、社員が経営側にしてもらいたいこと、すなわち評価されて報酬を得るということ、この2つを、経営側と社員との双方が共に納得する形でつなぎ合わせて、目標設定を行います。

社員は合意された目標に向かって邁進します。経営者や上司は、それを伴走する形で見守り、必要に応じて助言やサポートを行います。目標が達成されれば社員は約束された評価・報酬を得ることになり、また経営側は着実に経営計画に沿って業務を進めていくことができます。

このように人事評価制度は単に社員を評価するのではなく、経営側と社員が合意された目標に向かって共に伴走していくスタイルでのマネジメントを運用することにその本質があると言えます。

また、人事評価制度は社内のだれからでも見える「ガラス張り」である必要があります。どんな基準で評価されるのか、その結果、誰がどのような評価を得て、どの程度の報酬を得ているのかということを、経営側とその社員の間はもとより、他の社員からも透明性を持って見える様にすることが重要です。

一億総活躍担当大臣へ政策提言

このように、人事評価制度は企業経営の根幹を担うものですので、今後より多くの企業にその導入を普及させたいと考えています。

実は先日、加藤勝信 一億総活躍担当大臣にお会いして政策提言をさせて頂きました。現在、政府が進めている働き方改革の流れと人事評価制度とは親和性が非常に大きいと考え、今回、2つの提言を致しました。

まず1つ目は、人事評価の届け出を義務化することです。現在、各企業は所管の労働基準監督署に就業規則と賃金規定の届け出が義務付けられています。これに加えて、人事評価も届け出の対象範囲とすることを提言しました。

この義務化によって、各企業が人事評価制度を導入することに対して一定の強制力が働くことになるので、その普及が早まると同時に、その導入によって業務が改善され、従業員のモチベーションが上がるなど、各企業の生産性の向上、労働環境の改善が期待できます。

当社ではすでに様々な規模、業界の企業に対して人事評価制度の導入を行っていますので、このような全国規模での義務化を行ったとしてもスムーズに政策の実施が可能だと考えています。

そして2つ目は、人事評価データを転職市場で流通させることも提言しました。これが実現すると、中途採用をする企業側は、応募者がこれまでどのような評価をされてきたかを知ることができます。

例えば株式会社あしたのチームで「63点でAプラス」の評価がされていた人物ということが具体的に分かると、その市場価値を客観的に判断することができます。私達が提供している評価制度が30万社程度までに使われるようなれば、1つの社会インフラとして、転職者の価値を客観的判断できる新しい「物差し」になるのではと考えています。これによって転職市場の流動性も高まるでしょう。

IMG_9616

人事評価制度のシェアリング

これまでの人事評価制度は多くの場合、その企業の実情に合わせるということで、企業毎に個別に作っていました。しかし、これは導入に多大な時間や労力を要します。

すでに私達あしたのチームでは全国約800社の中小ベンチャーに人事評価制度を提供していますので、これからは、実績のある人事評価制度を使うところからスタートし、運用しながら自社にとってより良いものに変えていくスタイルの方が、コスト面だけでなく、その実効性についても大きなメリットがあるでしょう。つまり企業毎に個別の人事評価制度を持つのではなく、実績ある制度を企業間で共有するという考え方です。

近年、宿泊施設をネットで予約できるAirbnbや配車サービスのUBERなど、モノをシェアするコンセプトのビジネスが注目を集める様になってきました。今後は、モノだけではなく、人事評価制度のような無形資産についてもシェアする流れになると思います。当社ではこのトレンドに先駆けて、人事評価制度でのシェアリング・エコノミーを推進して、より多くの企業がこのサービスを通じて生産性の向上や社員のモチベーションのアップ、さらには業績拡大などを達成していくことを支援していきたいと考えています。

(終わり)

IMG_9702

あしたのチームについては、こちらをご参照下さい。
https://www.ashita-team.com/


ページトップ