2017年07月12日

インバウンドで注目を集める台湾市場(エキサイト 山内慎二さん)

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インバウンド市場が拡大を続けている。

日本政府観光局によると、2016年の訪日外客数は、過去最高の約2400万人を記録。この数字はここ数年毎年増加を続け、5年前に比べて約4倍にまで急増している。

これを受ける形で政府は、6月9日に「骨太の方針2017」を閣議決定。この中で、東京オリンピック・パラリンピックの開催年である2020年に向けて、訪日外国人旅行者数を4000 万人、消費額を8兆円として観光先進国を目指すと明記している。

このように急成長しているインバウンド市場だが、具体的にどの国からの来訪者に着目すべきだろうか。

この点についてエキサイト株式会社の山内慎二氏は、アジアの中でも台湾に注目すべきだと主張する。同氏は、第17回ビズテリア・フォーラムに登壇。この中で、台湾市場の可能性についてプレゼンテーションを行った。

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安定的な成長を見込める台湾市場

訪日外国人の中で最も多いのが中国からの観光客だ。日本政府観光局によると2016年の国別訪日来客数のトップは中国で約630万人。次いで、韓国の約510万人、台湾の約420万人と続く。

中国の観光客による、いわゆる「爆買い」によって、都内の百貨店や小売店の商品が飛ぶように売れていった現象は記憶に新しい。

また、人口13億人という中国の巨大さを考えると、インバウンド・ビジネスのメインターゲットは今後も中国人と考えてしまいそうだ。

しかし山内氏は「安定的な成長」という観点から次のように台湾市場の可能性を主張する。

「台湾はもともと日本の歴史や文化に対してシンパシーを持つ人々が多い、いわゆる親日国です。そのこともあって、日本への観光もリピーターが多く、安定的なビジネスの成長を期待できます。」

どんなビジネスにも言えることだが、事業性を考える際には収益性と同時に安定性も重要だ。

中国人観光客の動向を振り返ると、少し前までは、団体旅行中心だったものが、最近では個人旅行が増えている。また旅行先も都市部や有名観光地から地方に移り、一般的にはそれほど知られていないような場所に旅行するケースも多いと聞く。

このように中国人旅行客は、国自体が変動期にあることもあり、その消費行動は予測しづらい。今年と来年で消費パターンが全く変わってしまうということも十分あり得るのだ。さらには、日本と中国の間の政治的問題もこれらビジネス予測をさらに複雑にしている。

このように考えると、台湾は訪日外国人数が第3位とは言え、親日国として安定的な成長を見込めるマーケットと言えるだろう。

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台湾人目線でのマーケティングを行えるJapaholic

では具体的に、台湾の人たちに向けてどのようなマーケティング活動を行っていけばいいのだろうか。

この点について山内氏は、同社が運営しているインバウンド・メディア、Japaholic(ジャパホリック)の事例を紹介してくれた。

山内氏は同メディアの責任者であると同時に、エキサイト株式会社の台湾子会社の代表も務めている。

ジャパホリックは、「もっと日本を知ってもらい、もっと日本を好きになってもらう」をビジョンに掲げ、台湾人向けに運営している。月間140万ページビューのアクセスがあり、その9割が台湾からという。ユニークユーザー数は40万人。主に20歳から34歳のいわゆるF1層と言われるところの台湾人女性中心のメディアだ。

山内氏によると、他のインバウンド・メディアが旅行情報や飲食店情報が中心であるのに対して、エンタメ情報や「コンビニではどんなお菓子が売っているか」など、日本での生活情報を中心にしている点が特徴だ。

また同氏は「現地人目線にこだわっている」として、メディア編集の拠点を日本と現地台湾の両方に置き、両拠点での共同運営を行っているという。

このように、現地に深く根付いた形で運営しているジャパホリックだが、山内氏は日本企業向けにマーケティング支援の事例を2つ紹介してくれた。

国土交通省の「手ぶら観光」を支援

国土交通省では2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、訪日外国人旅行者が手ぶらで観光できる環境を定着させるため、物流や旅行関係の団体・機関と連携した取組、「てぶら観光」(Free-Hands Travel)を推進している。

エキサイト株式会社では同社のメディア、ジャパホリックを通じて、この「手ぶら観光」の支援を行った実績がある。

まず実際に「手ぶら観光」を行った体験記を同メディアに掲載。その上で、「手ぶら観光」をしてみたいかどうかを同メディア上でアンケートを実施して、台湾人の「手ぶら観光」に対するニーズ分析を行った。

現地ユーザー参加型のイベントを実施

また、現地台湾でのイベント開催を通じたマーケティング支援も行っている。

台湾にあるカフェを貸し切りユーザーが参加するイベントを開催。会場の参加者達に、日本メーカーが提供したサンプル商品に触れてもらい、その感想をアンケートの形で集計。その結果をクライアント企業にフィードバックする。

このように、ジャパホリックを通じて、日本にいながらにして台湾人の生の声を自社商品の企画や開発に活かすことができるのだ。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、インバウンド市場はますます活性化していくだろう。中でも「安定的成長」の観点から台湾人向けの商品やサービスの企画は急務だと言える。

そんな中、40万人の台湾人ユーザーを持つジャパホリックのマーケティング支援は今後さらに注目されていくだろう。

(終わり)

ジャパホリックについては、こちらをご参照下さい。
http://www.japaholic.com/tw/

エキサイト株式会社については、こちらをご参照下さい。
http://www.excite.co.jp/


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