2017年07月21日

スマートフォンを活用した病院内での働き方改革事例(デルタパスジャパン 奥田智巳さん)

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PHSの公衆サービスが終了する中、病院内での医療スタッフが連絡を取り合う院内PHSもスマートフォンに変更する動きが広がっている。

単に通信機器が変わるだけでなく、働き方改革にもつながっている様だ。

先日開催された第17回ビズテリア・フォーラムに、デルタパスジャパン株式会社のカントリーマネージャーである奥田智巳氏が登壇。

ここで奥田氏は、院内の通信インフラをスマートフォン化することによる病院での働き方改革の事例を紹介した。

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国立福井大学医学部附属病院での新しいナースコール・システム

デルタパスジャパンは、様々なデバイスを統合してビジネス・コミュニケーションの変革を支援している企業だ。主にIP電話用のSIPサーバーの製造およびスマートフォンとの連携を可能にあるアプリケーションの開発などを行っている。

米国サンノゼに本社を置くベンチャー企業だが、日本や香港にも拠点を置くなどグローバルな展開も見せている。

同社の奥田氏は今回登壇したビズテリア・フォーラムで、国立福井大学医学部附属病院での新しいナースコール・システムの導入事例を紹介した。

ナースコール・システムとは、病院内にあるベッドやトイレなど様々な場所に設置してある機器から、緊急時に患者が看護師を呼び出せる仕組み。

これまではPHSと連動するものが主流であったが、奥田氏が紹介した事例では、これをスマートフォンに置き換えたものである。

既に3年前に導入済みのシステムではあるが、当時はその先進性から、総務副大臣が視察に来た様子がテレビで放映されるなど注目を集めた事例だ。

スマートフォンとの連携で広がる可能性

従来のPHSを使ったシステムでは、ナースコールがあったときにPHSに表示される情報はコールした患者名などを示す文字情報に限られていた。

新システムでは、ナースコールを受けたスマートフォンには患者名だけでなく、何の用件で押されたかの情報も分かるようになったことで適切な対応を迅速に行うことが可能になった。

また、コール・グループを設定することで、ナースコールを医師や看護師の複数の医療スタッフで共有することも可能になったという。

さらには、電子カルテのシステムと連動させることによって、コールしてきた患者の治療履歴等までも共有することが可能になる。

導入の効果について奥田氏は「ナースコールへの対応のスピードアップが顕著に見られました」と述べた上で、「スマートフォンのGPS情報を使って、看護師さんの移動距離をトラックした結果、ナースコールに対応する看護師の移動距離が25%削減されたことが分かりました。」と業務の改善につながっていることも報告した。

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病院内で進む働き方改革

さらに奥田氏はナースコール・システム以外でも同様の改革が可能だという。

「血圧、脈拍数などの健康情報が、ある一定の数値を超えると生命維持が危険な状態になるパニック値というものがあります。これらは個別の医療機器で計測していますが、ネットワークにつなげることで、医師や看護師のスマートフォンと連動することが可能になります。」

今回、奥田氏が紹介したナースコール・システムは既に他の病院でも導入が始まっており、群馬大学医学部附属病院などでも導入されているという。

ナースコールだけでなく、様々な機器が探知する情報をトリガーとして、必要となる情報を呼び出し、組み合わせて、関係者のスマートフォンで迅速に共有することが可能になるということだ。

これらによって病院内での働き方改革が一層進み、ひいては医療の質の向上を実現するものになると思われる。

(終わり)


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