2017年07月24日

急成長の民泊市場でAI(人工知能)が活躍。鍵となるのはビックデータ(メトロエンジン 相馬翔さん)

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AI(人工知能)を活用したビジネスが本格化している。

2015年にGoogleのコンピューター囲碁プログラムであるAlphaGoが人間のプロ囲碁棋士を破ったことは記憶に新しいが、ひと昔前までは自然科学や工学の一研究分野に過ぎなかったAIが、ここ数年で様々なビジネス・シーンに登場し始めている。

今回、紹介するのは、宿泊施設の管理にAIを活用しているメトロエンジン株式会社。

東京都港区にある同社は、人工知能を使って宿泊施設の客室単価を自動設定できるサービスで注目を集めている。

同社の取締役である相馬翔氏は、先日開催された第17回ビズテリア・フォーラムに登壇。同社のAIを活用した取り組みについて発表した。

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民泊市場の急成長

相馬氏は、同社が運営する民泊専門メディアAirstairの編集長を務め、また5月に出版された「Airbnb エアビーアンドビー 初めてでも安心・安全に民泊を始められる本」( インプレス)の著者でもある。

さらには、これまで全国30ヶ所以上で「合法民泊セミナー」を開催し、健全な民泊運営の普及にも尽力している。

そんな民泊の今を深く知る同氏が、ビズテリア・フォーラムでまず初めに話したのは、民泊市場の急成長ぶりだ。

「民泊施設は2014年には東京に2、3千くらいしかありませんでした。それが現在では日本全国で5万件くらいにまで急成長しています。」

このような急成長した民泊市場を背景に、同社は宿泊施設の運営を支援する2つのサービスを展開している。

ビックデータをもとに宿泊施設の関連情報を分析

1つは民泊事業者向けに提供する民泊やマンスリーなど物件の短期貸し出しに対応したクラウド管理ツールだ。特筆すべきなのは、収益をシミュレーションできる機能。

これについて相馬氏は次のように説明した。
「どの物件がどのくらい稼働率があるか。どれくらいの客室単価をつけているか。月間どれくらい収益を上げているか。そのようなことを簡単にシミュレートできるのが特徴です。」

このような機能が実現できている背景には巨大なビックデータがあるという。

相馬氏は「日本全国5万件の民泊データを蓄積しています。」とデータ蓄積の豊富さを強調した上で、これらのビックデータを分析することで収益シミュレーションが可能になっていると説明した。

これには民泊市場への参入し始めている大手も関心を示し、一部の企業には物件の客室単価をシミュレートするサービスも行っているとのこと。

そして、もう一つの事業の柱となっているのがホテル・旅館向けのサービスだ。

中でも注目度が高く多数の問い合わせが寄せられているのが、AIを使った客室単価の自動設定ツール。日本全国の客室データを収集しビックデータとして蓄積することで、それをもとにAIが最適な客室単価を導き出す。

相馬氏は、「日本全国約3万施設のホテル・旅館の客室単価データを始め、1700万件ものレビューデータや、さらには近隣で開催されるアイドルのコンサート情報といったイベント情報まで持っています。」として、宿泊に関する巨大なビックデータを保有している強みを重ねて強調した。

これらのビックデータに人工知能・機械学習を用いることで、客室単価の自動設定を始めとする様々なサービスが実現しているという。

「例えば、お客様のレビュー情報であれば、それを自然言語解析することで、具体的に何を評価しているのかが分析できます。朝食なのか、宿泊体験なのか、などといったことです」

このようにして出てきた分析結果を参考にすることで、宿泊施設の運営企業は、PDCAサイクルを回しながら運営することが可能になる。

ビックデータがさらに大きくなれば、より精度の高い分析やさらに違った角度からの分析も可能になるだろう。

今後の展開が注目される。
(終わり)


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