2017年07月22日

ワークスタイル変革 実践ガイド 成功事例・先進事例から社内展開まで

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本稿では、ワークスタイル変革を社内で実践するためのポイントや手順について解説する。

特に他社の先進的な事例、成功した事例などを具体的に自社にどうやって融合させてワークスタイルや勤務スタイルを変革し、業務効率化や生産性の向上、多様な働き方の実現など経営変革につなげていくかを紹介する。

ビズテリアでは、これまで「働き方改革」共創ワークショップを毎月開催する中で、ワークスタイル変革を進めるための様々な知見が得てきた。

本稿では、前回開催した共創ワークショップの開催内容を振り返りながら、社内で改革を進めるための手順やポイントを紹介する。

1:タスクフォースの立ち上げ(経営変革へ向けて)

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ワークスタイル改革を社内で始めるために、まず必要なのが改革を推進するチームを作ることだ。

もしワークスタイル変革が全社的な課題なのであれば、社内の各部署から担当を集めて、部門を横断するタスクフォースを立ち上げることが必要だ。

様々な部署での変革によって、会社全体の業務効率化や労働生産性の向上、多様な働き方の実現などを目指すような場合だ。

例えば、こんな構成が考えられる。

「ワークスタイル変革」実現タスクフォース
構成メンバー例
  • 人事部門担当者(30代女性)
  • 営業部門 マネージャー (40代男性)
  • 経理部門 担当者 (20代女性)
  • マーケティング部長 (50代男性)
  • 製造部門 管理職 (40代男性)
  • 取締役 営業本部長 (60代男性)
  • 広報部門 担当者(30代女性)
  • 代表取締役 (60代男性)

共創ワークショップでの場合は、参加者は同じ会社から参加しているとは限らないので、ワークショップの時間だけ目的を共有してワークするバーチャルなタスクフォースということで進めている。

いずれにせよ、タスクフォースの構成メンバーを考える際には1つポイントがある。

それは、なるべく多様な人材をメンバーに参画させるということだ。

上記の「構成メンバー例」では、様々な部署から、様々な年代、様々な役職の人たちをメンバーにしている。

これは後ほど説明するが、ワークスタイル変革を議論する際には、なるべく多様な人材に関わってもらうことが、ワークスタイルにおけるイノベーションを触発することになるからだ。

共創ワークショップの場合は、一般参加者に加えて、実務経験の豊富なビジネス・パーソンや特定分野の専門家などを「メンター」という立場で参加してもらうことで、多様性のあるバーチャル・タスクフォースが実現している。

自社内でタスク・フォースを立ち上げる場合でも、必要に応じて、外部の人材にメンバーに入ってもらうことも一計である。ビズテリアの「メンター」が参加するということも可能だ。

2:ファシリテーター(共創の場を整備する)

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次にワークスタイル変革のタスクフォースがチーム内で会議を行う際に必要となるのがファシリテーターだ。

ファシリテーターはメンバーが自由闊達な議論をできるように場の雰囲気を醸成したり、議論を一定の結論が出るように導くためにチーム内の会議を取り仕切る役割だ。

共創ワークショップの場合は、毎回トップレベルのファシリテーターを招請して実施している。前回の開催では、グローバルトレーニングトレーナーの山口博氏(上記写真)が担当した。

自社内で行う場合は、ファシリテーター役を決めておく必要があるだろう。

上記の山口博氏によれば、ファシリテーター役に必要なスキルは、以下の6つがあるという。

「ワークスタイル変革」での
ファシリテーターの役割
  • 聞き手を引き付ける表現力
  • プレゼンテーション構成力
  • リアクションによる誘導力
  • メンバーを巻き込む合意形成力
  • 当事者同氏を対立させない懸念解消力
  • 柔軟思考による課題解決力

ちなみに上記スキルは山口氏の著書「チームを動かすファシリテーションのドリル」で詳しく解説している。前回の共創ワークショップの参加者は同書が特典として進呈されている。

3:先進事例・成功事例の発表

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ワークスタイル変革の推進チーム(タスクフォース)のメンバーが決まり、それをリードするファシリテーター役が決まったら、いよいよワークスタイル変革へ向けた取り組みをスタートさせる。

まず最初に行うのは、ワークスタイル変革の先進事例や成功事例のプレゼンテーションだ。

共創ワークショップでは、毎回、先進的な取り組みを行っている企業に数社に登壇してもらって、その成功事例や先進事例をプレゼンテーションしてもらっている。

ここでいう事例とは、ワークスタイル変革を実施したことで、企業の業績が向上したり、業務効率化が図られたり、労働生産性が上がったり、多様な働き方が実現できた、などと言った具体的な結果が得られた例を対象にしている。

参加者はこのプレゼンテーションを聞きながら、自社のワークスタイル変革に参考になりそうな点を付箋紙(ポストイット)に書き留めて、後述するプロセスで活用できるようにしておく。

自社でこれを行う場合は、もちろん理想は先進企業に直接来てもらってプレゼンしてもらうのがいいが、通常そのようなことは難しいだろう。

代わりに、各担当者がそれぞれ自身の視点で参考になりそうと思われるワークスタイル変革の事例を調べて持ち寄り、それぞれプレゼンテーションを行う形が良いだろう。

ここで重要なポイントは、事例を持ち寄り、一つの空間(会議室)でチームのメンバーと共有することだ。

ちなみに、前回の共創ワークショップでは、下記の企業がプレゼンテーションに登壇した。

前回の共創ワークショップで
事例発表をした企業
  • 株式会社みのり経営研究所
  • 株式会社おかん
  • 株式会社キャリア・マム
  • ユナイトアンドグロウ株式会社

株式会社みのり経営研究所は、ワークスタイル変革の鍵は人事評価制度にあることを同社の過去の事例を交えて紹介した。

株式会社おかんは、従業員の健康を食で支えるという観点からワークスタイル変革の事例を紹介した。

株式会社キャリア・マムは、女性活躍とりわけ「働きたい」と考えているママ達のキャリアアップを支援する側面からワークスタイル変革の事例を紹介した。

そして、最後はユナイトアンドグロウ株式会社が同社のサービスである「レンタル社員」を展開して行く上で、自社の社員のロイヤリティやモチベーションをどのようにして維持しているのかについて様々な事例を紹介した。

4:成功事例・先進事例の分解と整理

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3のプレゼンテーションにおいて、各参加者は参考になると思った点は付箋紙(ポストイット)に書き留めておいている。参加者によっては、書き出した付箋紙が何十枚にもおよんでいることもある。

ここで行っていることは、各参加者の毎の視点や考えによって、事例を分解して切り出している作業だ。

そして次に行うのが、これら付箋紙に書き出した「事例の各要素」をファシリテーターが説明する一定のルールで整理することだ(上記写真を参照)。

これらはプロセス・マッピングと呼ばれている。

プロセス・マッピングによって、「事例の各要素」が並び替えられ、整理されることで、自社のワークスタイル変革にとって重要なメッセージが浮かびあがってくる。

これら一連のことを、他の参加者と話し合い、さらに議論を深めて、ワークスタイル変革の本質に迫っていくのだ。

5:具体的アイデアの創出

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そして次に行うことが、ワークスタイル変革を具体的に進める上で、課題になることや、その課題をどうやって解決するかといった、様々なアイデアを一気にあつめることだ。(上記写真を参照)

ワールドカフェという手法を使って自社のワークスタイル変革にとって必要な解決策やアイデアを一気に集めていく。

6:計画への落とし込み(ワークスタイル変革の実施計画)

そして、いよいよアクションプランを作成する。

共創ワークショップでは、事前に用意されたアクションプランのテンプレートがあり、これまでのワークによって出されてきた様々な事例の要素やアイデアを具体的な計画に落とし込んでいく。

テンプレートによって、普段、計画を策定することをしていない人でも、枠を埋めていくだけで比較的短時間で計画の全体像を描くことができる。

アクションプランのテンプレートは様々あるが、できれば、実施してきたワークと関係性の高いものを使うことをお勧めする。

7:全社展開(業務効率化、生産性向上、多様な働き方の実現に向けて)

アクション・プランを策定した後は、それを全社展開する。今度は、タスクフォースの各メンバーがそれぞれの部署に持ち帰って、それを推進することになる。

チーム内で合意した内容を、他の社員に対しても同じ様に合意してもらえるように、賛同者を巻き込んでいくのだ。

この時は、先述した山口博氏が提唱している「メンバーを巻き込む合意形成力」というスキルをタスクフォースの各メンバーがそれぞれに発揮することが求められる局面だ。

このようにして、ワークスタイル変革を社内で実践することが出来るだろう。
是非、一度トライしてもらいたい。


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